移動販売車・キッチンカー購入にマイカーローンは使える?金利や分割払いの注意点も

「車購入をしたいけど、まとまった資金が無い…」

そんな場合の選択肢が、分割払いでのマイカーローンやリースですよね。

ただ、移動販売車の分割払いは少し厳しい面もあり、一般車の様にはローンが通りません。

そこで銀行融資が選択肢ともなってきます。

ということで、キッチンカーを割賦購入したいあなたのために、移動販売で銀行融資にも成功した私が、それぞれのメリットとデメリットも合わせてまとめてみました。

キッチンカーを一括払いで購入できない方は、ぜひご参考ください。

キッチンカー購入にマイカーローンは使える?

結論から書くと、"キッチンカー購入にマイカーローンは使えるけどお店による"という答えになります。

これは、お店(キッチンカー製造会社)とカーローン会社との関係性によるところも大きく、提携ローン会社があればマイカーローンが通りやすいと考えるのもいいでしょう。

逆に、カーローン会社との関係性が薄いお店なら、自分でカーローン会社(銀行系や信販系)の審査を通さなければならず、その結果は厳しいものとなります。

キッチンカー購入にマイカーローンが厳しい理由

一般的に、キッチンカー=自家用車ではなく、キッチンカー=営業車ですよね。

これは審査でも同じで、マイカーローンが通りにくい理由です。

「移動販売の営業設備」とされ、マイカーローンではなくビジネスローン(銀行融資)審査寄りとなってしまうんですね。

そして、銀行融資のハードルは割と高く、資金状況から事業計画まで提出をし、融資担当者との面接が必要となります。

マイカーは中古車としての売値もそれなりにつきやすいですが、キッチンカーの価値は不確定な傾向というのもマイナス要因です。実際には、それなりの高値で売れることも多いので、キッチンカーの価値がもっと一般的になれば、審査イメージも変わるかもしれません。

キッチンカーを分割で購入する方法

マイカーローンが厳しいとなった場合に、キッチンカーを分割払いで購入(入手)する方法をまとめてみました。

  • リース:キッチンカー所有者との交渉で分割払い契約
  • レンタル:所有はせずに、必要に応じてレンタル
  • 融資:借りたお金で車を購入し、月々返済

これらの他にも、クラウドファンディングで資金を集めるといった方法もありますし、マイカーローンが通らないからといって移動販売を諦めるのは早いです。

キッチンカー入手方法のメリットデメリット

あなたに適した購入方法を選ぶために、キッチンカー入手方法それぞれのメリットとデメリットをまとめてみました。

メリット デメリット
一括払い無駄な費用がかからない購入前後の資金繰り
カーローン資金繰りのしやすさ金利の支払い
リース資金繰りのしやすさ
柔軟な契約
好きなように改造できない
レンタル必要に応じた使用割高な使用料
好きなように改造できない
クラウドファンディング支援者と見込み客を同時に集められるやり方の勉強とコツが必要
融資信用次第で集められる資金銀行審査の厳しさ
個人間の金銭トラブルとなりやすい

それぞれにメリットとデメリットがありますが、自己資金が少ない場合に一般的な資金集めとしては銀行融資でしょうか。

昨今ではクラウドファンディングも増えてきた印象ですが、普及にはまだまだこれからにも感じます。

あとは、リースやレンタルですが、自己所有とはならないデメリットに注意してください。(リースは、契約期間後に所有できる契約内容もあります)

銀行融資でのキッチンカー購入資金調達

自己資金がなく、ローン分割払いも難しい場合、銀行融資での資金調達のケースが多いです。

ただ、融資審査の難易度は低くありません。

日本政策金融公庫での資金融資は厳しい?

実際に、私も日本政策公庫でキッチンカー開業融資を断られた経験があります。(法人、第二創業、前期赤字、無借金、自己資金200万円、融資500万円希望)

事業計画や説得力が甘かったと言われればそれまでですが、個人的な感触としては、相当に堅い状況を作らなければならない印象でした。

特に、自己資金の2倍以上の融資が厳しい印象で、自己資金割合を高めることが重要なポイントとなりそうです。

(ちなみに、融資500万円の内訳は、車両200万円・厨房設備費50万円・運転資金250万円でした)

信用金庫での資金融資に合格

日本政策金融公庫でキッチンカー開業融資を断られた後、ダメ元で信用金庫へも話を持ち込んでみた私。

条件は前述と同じ(法人、第二創業、前期赤字、無借金、自己資金200万円)ですが、融資希望額を200万円に落としました。

すると、意外にもトントン拍子に話が進み、保証協会の審査も下り、200万円の資金融資に合格したのです。

融資額を落としたのが効いた感触もありますが、諸々のやり取りも親身で緩めな印象もあり、もしかすると信金の方が融資が通りやすい面もあるのかもしれません。(担当者にもよると思いますが)

信金で500万円、公庫で200万円の融資希望だと逆の結果となったかもしれませんし、一度断られても他の銀行を渡ってみるのもおすすめですよ。

銀行融資に必要な書類

銀行融資に必要な書類についても触れておきますね。

  • 登記簿謄本
  • 過去3年分の決算書(確定申告書)
  • 銀行通帳の履歴(過去3か月~半年ほど)
  • 印鑑証明
  • 事業計画書
  • 設備見積書

法人か個人かにもよりますが、おおよそ、この辺りの書類が必要となります。

食品衛生責任者の修了書が必要となることもあるので、事前に講習を受けておくのもおすすめですよ。

札幌市の食品衛生責任者について

移動販売で銀行融資を受けるコツ

移動販売開業に限りませんが、銀行融資を受けるには、修行経験年数、事業計画を裏付けする資料、余裕のある自己資金などが必要です。

この条件を創業時に完璧に満たすのって、なかなかに難しいと思うんですけどね。

借りる側からすると理不尽にも感じてしまいますが、貸す側の貸し倒れリスクを考えるとしょうがないところかもしれません。(なので、事業が好調な時に借りておくのがおすすめの資金計画でもあります)

その辺りを踏まえて、移動販売で銀行融資を受けるコツとしては、

  • 融資希望額は自己資金の2倍程度まで
  • コツコツ貯めた資金経過
  • 滞りのない支払い
  • 安定した知識と準備
  • 移動販売同業の売上データ

この辺りは押さえておいてください。

面接での情熱と説得力でカバーできる部分もありますが、客観から見てもわかる安定性が非常に大切です。

例えば、あなたが100万円持ってるとして、ミュージシャンの生活費に50万円貸すか、サラリーマンの副業パソコン購入費に20万円貸すかでは、リスクが明らかですよね。

銀行としては、ある程度確立された飲食店業よりも、数字が見えにくい移動販売業にリスクを感じるのも当然です。(実際には移動販売業は低リスクでもあるのですが)

銀行は、リターンよりもリスクを重視することを意識しておくと、融資が受けられやすい状況や説得力も作りやすいはずですよ。

銀行融資が通らないならビジネスローンも

銀行融資が通らない事業者用に、信販系や消費者金融系のビジネスローンがあります。

金利が5~18%程度と高めなのが難点ですが(銀行融資が2~5%、カーローンが5~10%)、審査が甘めで事業資金に使えるビジネスローンもあるので、ぜひ選択肢としてみてください。

事業者ローンのビジクエスト

オリックスVIPローンカード BUSINESS

オリコの事業融資・ビジネスローン

キッチンカーをローン購入する注意点

軽トラキッチンカー

キッチンカーをローン購入するのがゴールではないのは当然ですよね。

購入してからが勝負で、毎月数万円の支払いがのしかかってきます。

店舗と違って安定稼働できない移動販売業なので、出店場所が確保できないと支払いができません。

しかも、しっかりと集客確保できる出店場所で目立つことが重要です。

場所の集客力×キッチンカーの視認力×メニューの購買力=売上

このような売上を構成する要素で、どれもが欠かせない数字です。

1万人集まる場所で、20%の人の目にとまり、5%の人に買ってもらえるなら、100人に売れるということですよね。

キッチンカーとメニューの魅力だけではなく、しっかりと集客できる出店場所を確保して、滞りのないローン支払いをしていきましょう。

キッチンカーのローン購入まとめ

  • 一括支払いが一般的
  • 銀行融資やカーローンは通りにくい
  • リースは販売会社次第

営業車という扱いのキッチンカーなので、一般車ほど分割払いは一般的ではありません。

しかも、銀行融資が通りにくいという厳しさも。

コツコツ貯めた自己資金が一番ですが、必要に応じたレンタルや、ネットを活用したクラウドファンディングも選択肢に入れ、移動販売開業にぜひ一歩踏み出してみてください。

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